今回は電気シェーバーの開発秘話をご紹介させて頂きます。
上の写真のシェーバーは某企業様が発売された物になります。
古いモデルにはなりますが、今ではなくてはならないある機能が追加されたモデルになります。
それまでのモデルは上の写真で言いますと、赤のラインを境に2ピース構造になっていましたが、このモデルからは1体物構造となったのです。
つまり赤のラインに継ぎ目が存在しなくなった為、「丸洗い」可能になっていったモデルなのです。
今では当然のごとく備わっている機能ですが、当時は市場にも多く出回っておらず、技術的に大変な開発案件だったそうで、金型の構造が今までとは、まるっきり変更になってしまい耐圧・耐熱・耐摩耗性・靭性など工学的な難易度が格段に高くなったそうです。
正直なところ、初めてこの製品を見ても金型構造が思い浮かびませんでした。
スライドという特殊な構造になっているのは分かりましたが、下写真のように、そのスライドの抜き方向では形成できない形状(アンダーカット)が存在します。
うーん、どうしているのだろう。。。
そして、金型図面を確認しましたところ、なんとスライドの中にアンダーカット処理をする傾斜コアと言われる機構が幾重にも設置してありました。
難しい。。。すごい。。。素直にそう感じてしまいました。
本製品は、金型設計を進めるにあたり、某企業様と弊社で何度も何度も協議をさせて頂き、量産に耐えうる製品形状、及び金型構造にしていったそうです。
普段私達が何気なく使っている物でも、今までとは違った目線で見ていこうと思います。
そして、金型製作の糧になる要素を発見していきたいと考えております。